日本企業や外資系企業の国際労務をトータルにサポート!海外勤務者、外国人労働者の労務管理に関するご相談や海外赴任規程の作成などは当社にお任せください!

<東京事務所>
東京都港区虎ノ門3-18-16 虎ノ門菅井ビル7階
<大阪事務所>
大阪市西区立売堀1-2-12 本町平成ビル3階
<福岡事務所>
福岡市中央区天神2-4-2 福岡天神ビル8階

受付

平日 9:00~18:00

海外赴任規程の作成方法

海外赴任規程(出向規程・勤務規程)の作成

作成にあたっての留意点

IMG_9507.jpg

本記事は、私どもが毎月発行している「MONTHLY GERBERA PARTNERS」より抜粋しております。

「MONTHLY GERBERA PARTNERS」は毎月20名ほどの各種専門家が執筆をし、弊社のお客様に配布してきた月刊誌で、第100号の発行を機に、現在はQ&Aブログへ移行しております。

 

下記はこのページで掲載している記事の目次です。先に出張旅費規程について少し掲載して、そのあとで海外赴任規程の作成にあたっての留意点を掲載しております。

はじめに

大半の企業では、半年や1年という短期間の海外派遣を「海外赴任」ではなく、「海外出張」という言葉を用いているかと思います。

海外出張のルールについては、法律の改正による影響も少ないため、なかなか見直しが進められないのが実情ですが、コスト削減やリスク回避のためにも、定期的に見直されることをお勧めします。

今回は、貴社が海外出張旅費規程を新たに作成し、または見直しをされるにあたって、コスト削減の観点と税務上及び労務上の観点で留意いただきたい事項について、ご案内してまいりたいと思います。

コスト削減のための見直し

(1) IT化への対応

インターネット上でも、出張旅費の削減や事務作業の軽減を強力にバックアップしてくれる
WEBサイトが多く見受けられるようになりました。

また、昨今のITツールの進化により、出張手続きを効率化するだけでなく、精算事務の負担も軽減する仕組みが考案されています。このような合理化策を上手く取り入れて、コストダウンを図っていただければと思います。

(2) 特定の旅行会社等との契約

社員の海外出張が多い会社は、旅行会社と提携する方法がお勧めです。これにより、旅券購入の時間が非常に短縮されることになります。

そこまでの量がなかったとしても、特定の旅行会社と契約して団体向けのチケットを回してもらったりはできるかも知れません。また、航空券費用の削減を検討するなら、航空会社と法人契約を結んで直接買うことも考えられます。

ぜひご検討ください。

(3) 法人カードや決済口座の利用

法人カード(クレジットカード)を利用することで、出張者が多額の現金を立て替える必要がなくなり、カード決済や現金の入出金が可能になります。

また、海外出張時の海外旅行保険が自動付保されたりもしますので、非常に便利かと思います。

(4) 経費精算口座の利用

社員各人に、会社が指定する金融機関で個人口座を開設してもらい、社員個人が立て替えた費用の精算のために使うという方法があります。

立替費用としては、パスポート取得費用、予防注射、往復旅費、支度費用(行き・帰り共)、滞在費(食費費・宿泊費)・現地での交通費など多岐にわたるため、事務負担の軽減につながり、コストダウンも図れるかと思われます。

税務上の観点からの見直し

(1) 税務対策としても規程は必ず必要

海外出張旅費規程を定めることは、海外出張時の社内ルールを運用する上で重要であるだけでなく、税務対策の一環にもなります。

たとえば出張時の交通費、宿泊費、出張手当などは、規程による定めがない場合は、会計上は経費にできたとしても、税務上は否認される可能性もあります。

原則として、領収書が無い出費は税務上損金として認められません。ただし、公共交通機関等の合理的に説明できる経費については領収書がなくても損金として認められる場合があります。

(2) 社員本人に対する税務メリット

規程で定めた出張手当は、実質的には給料の意味が強いのですが、税務上は給料扱いではなく、旅費交通費の部類に入ることになります。

つまり、会社の経費になるだけでなく、受け取る側の社員にとっても、所得税のかからない収入になります。このメリットを享受するためにも、規程の存在が不可欠です。

海外出張旅費規程を作らずに、その都度、勝手に出張手当を決めて与えていると、税務署に否認されてしまうばかりか、役員の場合などは損金不算入の賞与認定をされることにも なりかねませんので、十分ご注意ください。

(3) 税務調査のときには、海外出張旅費規程の

提示を求められ、出張旅費の精算状況をチェックされることになります。
出張の都度、出張日程表や出張報告書を保管しておいてください。

出張日程のなかに観光やゴルフ等が入っている場合は、その分を按分して交際費などに振り分ける必要がありますので、ご注意ください。

労務上の観点からの見直し

(1) 労災保険

海外でも短期出張の場合は、日本の労災が適用されます。

しかし、期間や出張目的によっては、日本の労災が適用されないため、「労災保険法27条にもとづく特別加入」の手続きをされることをお勧めします。

ただし、これは任意加入となります。詳しくは、管轄の労働基準監督署にご確認ください。

(2) 健康保険

出張者が海外で病気やケガをした場合は、健康保険が適用されます。

本人がいったん立て替えることになり、精算されるまでに非常に時間がかかるため、これとは別に、会社負担で民間損害保険会社の「海外旅行傷害保険」に加入する場合が多いです。

注意点としては、現地でサービスができる保険会社を選ぶということです。
そうすることで、病院から保険会社に直接治療費が請求されることになり、社員の先行負担が生じなくなります。

ただし、一部の歯の治療などは保険の対象外になったりするため、どこまでを会社負担とするかは注意が必要です。

以上のように、海外出張旅費規程については、様々なコスト削減やリスク回避に向けて、常にメンテナンスを行っていただければと思います。

企業が海外に支店、駐在員事務所、現地法人などの拠点を置くようになると、「海外赴任」の指示命令を受ける社員が出てきます。

その際、まず検討しなければならないのが「海外赴任規程」です。
海外赴任規程には「海外赴任者の給与体系や赴任時から帰任時までの諸手続き」を記載し、その際「海外赴任者の海外給与体系をどのように考え」で、「どのようにして決定していくか」について、ご案内してまいります。

海外赴任者の給与体系は慎重に決定すること

海外赴任者の給与が、日本で勤務していたときと同じだったり、あるいは海外勤務手当を少し上乗せする程度だったりすることがあります。

もしその海外赴任者が海外進出の企画に携わった経営幹部であるとか、あるいは経営幹部でないにしても、自ら希望して海外に赴任するような場合は給料がそのままであったとしてもそれほど大きな問題にならないかも知れません。

しかしそうではなく、本人が海外赴任を希望していなかったり、或は家族がいたりする場合は、このような給与体系では、海外赴任者或はその家族のモチベーションを長く維持することはできないでしょう。

海外赴任者や帯同家族は任地において、他の日系企業の駐在員やその家族と出会い、お互いに仲良くなり、自分たちの待遇面について意見交換をするようになります。

待遇というのは上を見ればキリがないのですが、それでもあまり大きな差が出てしまうと、不満を募らせることにもなりかねません。

本社の経営幹部は、最悪の事態を想定し、「海外赴任者の給与や待遇」について、早期に対策を打つことが望まれます。

主要な海外給与の種類

一般的に、海外赴任者1名に係るコストは、日本勤務時の1.5倍~2倍になると言われています。
現地の社宅家賃、税金や社会保険料、帯同家族の生活費や帯同子女の教育費用、転勤時の引っ越し費用や一時帰国費用の負担など、日本では発生しないコストが伴うからです。
以下に、一般的な海外給与の種類をご紹介します。

これらを組み合わせて、海外給与体系を策定していくことになります。

海外基本給

本人又は家族の生活費や貯蓄に対する給与

海外勤務手当

海外勤務に伴う労苦を金銭で報いるための手当

帯同家族手当

海外勤務に帯同する家族の生活費に対する手当

子女教育手当

子女の日本人学校やインターナショナル、通信教育等相当額に対する手当

ハードシップ手当

生活環境の厳しい地域に赴任する者への慰労に対する手当

海外住宅手当

現地の住居費に対する手当

単身赴任手当

(留守宅手当)

家族を日本に残して海外赴任する場合に支給する手当

語学手当

現地の語学習得のための実費相当額を補助する手当

海外役職手当

現地での役職に対しての手当

海外通勤手当

現地での通勤に係る経費相当額を補助する手当

はじめに

海外赴任規程を作成するにあたって、人事担当者が最も悩まされるのが、今回のテーマとなっている税金の問題かと思われます。

海外赴任者に係る国内の個人所得税については、海外赴任者が赴任前において日本でどのようなポジションだったのか、そして赴任後において海外でどのようなポジションに就くのかに応じて、その取扱いが異なります。

また、赴任時や帰任時の給料や賞与を支払う際の個人所得税の取り扱いについても、ご案内させていただきます。

国内で支払われる給与の個人所得税の取扱い

海外赴任者が赴任中に国内給与(以下、「留守宅手当」といいます。)を受け取る場合、その者が赴任前に日本で役員だったか社員だったかに応じて、その留守宅手当に係る個人所得税の取り扱いが異なるため、注意が必要です。

このように個人所得税の取り扱いが異なるのは、役員の本来の役割が、日常の業務に従事することではなく、取締役会に出席して企業経営に従事することに起因しています。

つまり、役員としての国内業務(企業経営に従事すること)は海外にいてもできるため、役員の報酬・賞与は国内源泉所得として、日本で課税されることになっているのです。

海外赴任者が海外赴任中に国内で受け取る留守宅手当に対する個人所得税の取り扱いについて、国内外でのポジションに応じて次の表にまとめてみます。
(参考 所得税法第212~213条、所得税法施行令第285条)

 

常勤社員・使用人兼務役員

非常勤役員

国内

一般社員

非課税

非課税

役員

20%課税

20%課税

20%課税or非課税(※)

20%課税

(※)日本で役員であったとしても、現地で常勤の社員又は使用人兼務役員であれば、現地の勤務内容が一定の要件を備えることで非課税扱いを受けることが可能です。

赴任時及び帰任時の給与と税金について

一年未満の予定で海外勤務する者は日本の居住者に該当するため、その者が受け取る給与や賞与については、国内社員と何ら取り扱いは変わりません。

一年以上の予定で海外勤務することになった者については、赴任時と帰任時について、税務上の取り扱いにご注意ください。

(1) 赴任時の給与に係る所得税

1年以上の予定で日本を離れる者は、出国する日の翌日に日本では非居住者となりますので、その者の「国外源泉所得」については、税金がかからないことになります。

ただし、所得税基本通達212-3より、給与の計算期間が1ヶ月以下の場合において、給与支払日に日本の非居住者であるときは、その者の給与については全額が「国外源泉所得」とみなされ、その全額に対して非課税、ということになります。

留意点(3)へ続く

赴任時及び帰任時の給与と税金について(前回の続き)

(2) 赴任時の賞与に係る所得税

前号でご説明しました(1)に該当する者が出国後最初に受ける賞与について、その支給対象期間のなかに国内勤務していた期間が含まれていれば、その国内勤務期間に対応する賞与については国内源泉所得に該当し、20%の課税がなされます。

賞与額の按分の仕方については、支給対象期間内の国内勤務日数を支給対象期間の総日数で除し、この金額に対して20%が課されることになります。

(3) 帰任時の給与に係る所得税

1年以上の予定で日本に居住する場合は、入国日から居住者扱いとなり、その者が受け取る給与は全額課税されることになります。

つまり、居住者となってしまうため、帰任後初めて受け取る給与のなかに海外の給与(国外源泉所得)が含まれていたとしても、全額が課税対象となります。

(4) 帰任後初めて受ける賞与に係る所得税

上記(3)に該当する者が帰任後初めて受け取る賞与について、その賞与の算定対象期間のなかに海外で勤務していた期間が含まれていたとしても、その期間分も含めて、受け取った賞与の全額に対して課税されます。

海外赴任者とその家族への補償

弊社に海外赴任規程についてご相談をいただく場合のご相談者は、大きく分けて次の3種類に分かれます。

  1. 既に複数の国・地域への海外赴任者がいる会社の海外人事部の方
  2. はじめて海外に出る会社の経営陣の方
  3. はじめて海外に出る会社の人事部門の方

1は、既に海外赴任者に係るトラブル事例を多く有している場合が多く、それらに対応する社内マニュアルも備えられているケースが多いです。その為ご依頼をいただくのは、複数拠点における赴任者への給与体系や待遇の違いを整理し、全ての海外拠点に共通した海外赴任規程を作成してほしいという内容になります。

2は、海外赴任者に配慮しながら、他社の事例を参考にして作成したいという場合が多いのですが、決裁権限をお持ちの経営陣が対応されますので、何事も決まるのが早いです。

3は人事部門の担当者が経営陣から海外赴任規程の作成を命じられたものの、どのように作成すべきか分からなくて頼って来られる場合が該当します。
 

弊社では、本稿に記載しているような「海外赴任者とその家族への補償」について、事前に決裁権者にご説明させていただくことを強く求めております。

決裁権者にご理解いただけずに規程の作成を進めても、経営陣と担当者の間で意見の相違が見られることが多いためです。

上記のように相談者が誰であるかによって規程完成までのスピード感に違いがあるものの、すべてに共通した課題として認識いただきたいのは「会社は海外赴任者やその家族に対して、どのような補償を行おうとしているか?」ということです。

赴任時及び帰任時の給与と税金について

(2) 赴任時の賞与に係る所得税

前号でご説明しました(1)に該当する者が出国後最初に受ける賞与について、その支給対象期間のなかに国内勤務していた期間が含まれていれば、その国内勤務期間に対応する賞与については国内源泉所得に該当し、20%の課税がなされます。

賞与額の按分の仕方については、支給対象期間内の国内勤務日数を支給対象期間の総日数で除し、この金額に対して20%が課されることになります。

(3) 帰任時の給与に係る所得税

1年以上の予定で日本に居住する場合は、入国日から居住者扱いとなり、その者が受け取る給与は全額課税されることになります。

つまり、居住者となってしまうため、帰任後初めて受け取る給与のなかに海外の給与(国外源泉所得)が含まれていたとしても、全額が課税対象となります。

(4) 帰任後初めて受ける賞与に係る所得税

上記(3)に該当する者が帰任後初めて受け取る賞与について、その賞与の算定対象期間のなかに海外で勤務していた期間が含まれていたとしても、その期間分も含めて、受け取った賞与の全額に対して課税されます。

海外赴任者とその家族への補償

弊社に海外赴任規程についてご相談をいただく場合のご相談者は、大きく分けて次の3種類に分かれます。

  1. 既に複数の国・地域への海外赴任者がいる会社の海外人事部の方
  2. はじめて海外に出る会社の経営陣の方
  3. はじめて海外に出る会社の人事部門の方

1は、既に海外赴任者に係るトラブル事例を多く有している場合が多く、それらに対応する社内マニュアルも備えられているケースが多いです。その為ご依頼をいただくのは、複数拠点における赴任者への給与体系や待遇の違いを整理し、全ての海外拠点に共通した海外赴任規程を作成してほしいという内容になります。

2は、海外赴任者に配慮しながら、他社の事例を参考にして作成したいという場合が多いのですが、決裁権限をお持ちの経営陣が対応されますので、何事も決まるのが早いです。

3は人事部門の担当者が経営陣から海外赴任規程の作成を命じられたものの、どのように作成すべきか分からなくて頼って来られる場合が該当します。
 

弊社では、本稿に記載しているような「海外赴任者とその家族への補償」について、事前に決裁権者にご説明させていただくことを強く求めております。

決裁権者にご理解いただけずに規程の作成を進めても、経営陣と担当者の間で意見の相違が見られることが多いためです。

上記のように相談者が誰であるかによって規程完成までのスピード感に違いがあるものの、すべてに共通した課題として認識いただきたいのは「会社は海外赴任者やその家族に対して、どのような補償を行おうとしているか?」ということです。
 

次号にて、海外赴任者とその家族に対する補償について、独身者を赴任させる場合、家族を日本に残して単身で赴任させる場合、家族を帯同させる場合の3つのケースについてそれぞれ検討してまいりたいと思います。

独身者を赴任させる場合

独身者の海外赴任については、若年者である場合も多く見受けられます。

将来の伴侶が決まっている場合は、赴任を機に結婚に踏み切る場合もありますが、結婚準備の時間が短すぎて赴任期間中に結婚ということも大いにあり得ます。

海外赴任規程には、赴任者が赴任期間中に結婚した場合の取扱い(たとえば配偶者の呼び寄せなど)についても盛り込むことをお勧めします。

また、独身者ゆえに離職率も高く、赴任途中で退職する場合の厳格な取扱い(帰国時の引越し費用を会社は負担しない等)についても規定に加えておいたほうがいいでしょう。

家族を日本に残して単身で赴任させる場合

単身で海外赴任する理由は、赴任先においてテロや暴動の危険性があったり、子女が通える学校がなかったり、あるいは家族が海外での生活を拒んだりと様々ですが、単身赴任者に対しては、今まで支えてきた家族が周囲にいなくなることからくるメンタル面へのダメージが想定されます。

会社はメンタルヘルス対策を怠らないように気を付けて頂くとともに、単身手当を支給して労苦に報いるような設計が必要です。
単身赴任者本人が海外に赴任したからといって、日本に残された家族の生計費はそれほど大きく変わりませんので、日本で支給される給料を減額することはわずかしかできません。

これも単身の場合の特徴の一つであり、日本に残された家族の生計が維持できるような給与体系を構築しなければなりません。
一時帰国の回数も、家族を帯同している赴任者の場合と比べて増やすことも視野に入れるべきかと思われます。

ただし、本社の経費に入れられる一時帰国の回数には制限があるため、ご留意ください。

家族を帯同して赴任させる場合

帯同家族がいる場合に最も注意すべき点は、「帯同家族のメンタルケア」です。慣れない海外生活や知り合いが少ないことが原因で家族がうつ病にかかる場合も多く、会社が主体となり定期的なメンタルヘルスチェックを行う必要があります。

帯同子女がいる場合は、現地で学校に通わせる必要がありますが、日本人学校に通わせる場合もあれば、インターナショナルスクールで現地語と英語を習得させたいと考える方もおられます。あるいは、語学研修に対する補助を出す場合も想定されます。これらの経費をどこまで会社が負担するかを事前に検討しておかなければなりません。

また、家族全員が赴任する場合、海外赴任者や帯同家族の心配事は、留守宅(マイホーム)をどのように維持するか、そのマイホームに係る住宅ローンについて、それまで控除されてきた税金分の経済的利益はどのように代替されるのか、日本に残していく要介護状態の老父母の面倒を誰が見るのか、など様々な事例が挙げられます。

細かい話ですが、赴任前に処分した家具や電化製品を、帰任後に購入する場合の費用負担や自宅に冷暖房器具を設置する工事代金の負担など、様々な出費について、会社がどこまで負担するのかを事前に決めておく必要があり、これらを金額の上限を決めて実費で出すのか、あるいは支度金という名目で一定額を払い切りにするのかによって、税務上の取扱いが異なるケースも出てきます。

上記のような事項を海外赴任規程に盛り込み、赴任者や家族の心配事を軽減する努力が求められます。

はじめに

社員の海外赴任にあたって人事担当者の意識が最も注がれるのは「給与、手当、税金、社会保険」などですが、実際に赴任したあとに問題が多いのは、赴任者の生活問題、保険治療、子弟の教育、メンタルヘルスなどです。

言語の問題や慣れない生活慣習、日本との情報遮断などによって、赴任者や帯同家族は不安に陥りがちです。

今回は、赴任者や帯同家族が安心して現地で生活できるためには、どのような項目を海外赴任規程に盛り込むべきかについて、ご案内してまいりたいと思います。

赴任者・帯同家族の安全を何よりも優先する

海外赴任者及びその帯同家族が赴任先で安全に過ごすためには、日本で暮らしているわけではないことを認識することが何よりも重要です。

海外の暴徒は、日本人に対して「金持ち」というレッテルを貼っていることが多いため、金品を奪うために、誘拐だけならまだしも、命を奪うこともあるのです。目立たないこと、行動を予知されないこと、そして用心を怠らないことが大切です。

海外赴任規程の作成過程においては、常に赴任者及び帯同家族の「安全」を意識して作成を進める必要があります。

ハードシップ手当

ハードシップ手当とは、治安、気候、食生活などに基づき総合的に評価された生活環境が日本(東京)と比べて厳しい赴任先に勤務する従業員に対して支給される手当をいいます。

ハードシップ手当は、主に発展途上国を中心として支給されますが、その発展途上国の生活環境レベルをどのように線引きするかが非常に難しいため、生活環境指数を提供するグローバル企業などから情報を購入するのが一般的です。

しかし、毎年のように購入するとなると複数の赴任先がある場合はコストが非常にかかるため、3年に1回など、あらかじめ決めておくケースが多いようです。

世界の都市の生活環境レベルのトップ10に入るのは、ほとんどがヨーロッパの都市であり、東京でさえ50位以内にかろうじてランクインするくらいで、アフリカ諸国やイスラム圏など、テロや暴動が多い地域は非常に高くなります。

ソウルや台北、上海などは、治安がそれほど悪くないということでハードシップ手当を設けていない場合もありますが、東南アジア諸国へ赴任する場合は、テロや暴動だけでなく、感染症などもあるため、設定されることをお勧めします。

住宅の選定

海外赴任者の住宅は、赴任者自らが現地で選ぶ場合もあれば、赴任先のスタッフが選ぶ場合もありますが、何よりも重要なのは、そのエリアに日本人や他の外国人が住んでいるかどうかをチェックすることです。

外国人が住んでいるエリアは賃料が比較的高額になりがちですが、安全面を重視せずに金銭面などから選定すると、あとで何かしら問題が出たときに後悔することになります。

よって、会社は住むエリアを指定したり、住宅手当の額を日本並みの生活ができるレベルに設定したりする必要があります。

労災保険への加入

単なる出張者であれば、労災保険について特段何の手続きも要しないのですが、海外赴任者については、海外で労災事故に遭っても労災保険の適用を受けることができる「海外派遣者特別加入制度」に加入する必要があります。

ただし、あくまでも国内から派遣されている海外赴任者のみが対象であり、現地採用者や単なる留学目的の派遣には適用されませんのでご注意ください。

赴任先国にも同様の労災保険制度があったり、民間の保険に加入しているので、この特別加入制度に加入しなくてもいいですかとご質問を受けるのですが、それらの保険が補償していない部分まで補償していたりもしますので、加入されることをお勧めします。

海外旅行傷害保険への加入

現地の社会保険制度の保障内容が日本の社会保険よりも範囲が狭いケースが多いこともあって、海外旅行傷害保険に加入している企業が大半です。

一般的には管理職と一般職とに分けて補償額を設定しています。あらかじめ加入される損害保険会社を選定のうえ、保険商品のパンフレットを入手して補償内容を把握し、海外赴任規程にはその内容を記載されればいいかと思いますが、重要なのは死亡した場合の補償よりも、傷害や入院時の治療に係る補償です。

事故後において、労災保険と違ってすぐに保険金が出るのも特徴ですし、加入されることをお勧めします。

海外勤務者の医療保険

海外勤務者の医療保険は、赴任先国に応じて制度が異なることもあって、最終的には現地の制度を調べる必要があります。

各国の制度をご紹介するには紙面が足りませんが、どの国でも共通の、最低限知っておいていただきたい点についてはご案内できるかと思います。

医療保険はいざというときに会社と社員の両方を助けてくれるものですから、その取扱いについて決定のうえ、必ず海外赴任規程に盛り込むようにしてください。

在籍出向者の医療保険

在籍出向とは、支店や駐在員事務所に赴任するケースを言うことが多いのですが、発展途上国の現地法人に赴任する場合、現地法人での給料が日本本社での給料に比べて安くなってしまうことが多いため、賃金の一部を留守宅手当として支給することがあります。この場合も、在籍出向にあたることになり、一般的にはこの形が多いようです。

在籍出向者の場合は、本質的には国内勤務と何ら変わらず、日本の社会保険に加入することになります。ただし、海外では療養費をいったん全額立て替えて支払い、その診療を受けた医療機関から「診療内容証明書」を発行してもらい、これに領収書を添えて、これらを翻訳のうえ、日本の保険者(健保組合や健保協会など)に請求します。

この場合において、保険者から給付されるのは、日本における療養の例にならうことになるため、例えば米国のような医療費が高額な国だと、多額の自己負担が発生することにもなりかねません。

よって、海外赴任規程のなかでは、これらの自己負担部分が生じた場合に、会社が負担するかどうかを定めておく必要があります。一般的には会社が負担するケースが多いのですが、歯科治療(インプラントなど)や高度医療など一部の治療については自己負担額が相当になることもあり、除外するケースも多いです。(その場合、これらの治療については日本国内での治療に限定することになります。)

企業様のお問い合わせはこちら

当社では企業様の国際労務に関するご相談を承っております。ご相談の難易度に応じて料金が異なりますが、業務のご依頼に関するご質問やご相談については、もちろん無料にて回答いたしますので、お電話またはメールにて、お気軽にお問い合わせください。

お気軽にお問い合わせください

お電話でのお問い合わせはこちら

東京事務所: 03-5405-2815

大阪事務所: 06-6535-8828

福岡事務所: 092-781-2131

<受付時間>平日 9:00~18:00

海外勤務者、外国人労働者の労務管理に関するご相談、海外赴任規程、英語や中国語の就業規則、労働契約書の作成、外資系企業の給与計算は、経験豊富な社会保険労務士にお任せください。親切・丁寧な対応をモットーとしております。お気軽にご相談ください。業務支援エリアは全国です。東京、大阪、福岡事務所へお問い合わせください。

企業様の無料相談実施中

初回のご相談は無料です

東京:03-5405-2815
大阪:06-6535-8828
福岡:092-781-2131

<受付時間>
平日 9:00~18:00

会社概要

<運営者>
社会保険労務士法人
ガルベラ・パートナーズ

ホームページはこちら

東京事務所

〒105-0001
東京都港区虎ノ門3-18-16
虎ノ門菅井ビル7階

03-5405-2815

大阪事務所

〒550-0012
大阪市西区立売堀1-2-14
本町産金ビル7階

06-6535-8828